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WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の主要指標である、言語理解指標(VCI)を伸ばすために必要なこと

  • 2024/10/06

WISC-Ⅴ検査の主要指標である、言語理解指標(VCI)を伸ばすために必要なこと

WISC-V(Wechsler Intelligence Scale for Children, Fifth Edition)検査における言語理解指標(Verbal Comprehension Index, VCI)は、子どもの言語能力、特に語彙力、言語的推論力、言葉の概念理解能力を評価する重要な指標です。この指標は、主に語彙、類似性、理解といった課題によって測定され、子どもが日常生活でどれだけ言語を効果的に理解し、使うことができるかを反映します。言語理解指標(VCI)の指標得点の数値を伸ばすためには、以下の点に焦点を当てたトレーニングや日常的な活動が効果的です。

言語理解指標(VCI)の構成

言語理解指標(VCI)の主要下位検査は、以下の2つで構成されています。

単語(Vocabulary)

言葉の意味を説明する能力を測定します。子どもは提示された単語の定義を説明します。

類似(Similarities)

2つの異なる概念や物事の共通点を説明する能力を測ります。この課題は抽象的思考や概念形成能力を評価します。これらの主要下位検査のの結果に基づき、言語的な概念理解、推論、語彙力が評価されます。

言語理解指標(VCI)の数値を伸ばすためのアプローチ

言語理解指標(VCI)の数値を向上させるには、子どもの言語能力、語彙力、抽象的思考力を総合的に高めるアプローチが必要です。以下に、具体的なトレーニング方法と日常生活での取り組みを説明します。

1. 語彙力を高めるためのアプローチ

語彙力の強化は、言語理解指標(VCI)の向上に直結する重要な要素です。語彙の豊富さが、言語理解能力やコミュニケーション能力の基盤となるため、積極的に新しい言葉を学び、その意味や使い方を理解することが不可欠です。●読書の推奨具体例: 子どもが興味を持てる本を日常的に読む習慣を促進します。読書によって、子どもは新しい語彙に自然に触れることができ、その文脈から言葉の意味を学べます。特に、物語やノンフィクションなど、異なるジャンルの本を読むことで、語彙の幅を広げることができます。実践例: 子どもが1日に1冊の短い本を読むことを目標にし、読後に親や先生と本の内容について話し合います。話し合いの中で、特に印象に残った言葉や新しく学んだ語彙について話す機会を作ります。●フラッシュカードやアプリを活用具体例: 新しい語彙を定期的に学ぶために、フラッシュカードや教育アプリを活用します。これにより、語彙学習が視覚的に行われ、記憶に残りやすくなります。実践例: 毎日10~20枚のフラッシュカードを使い、新しい単語を学び、それらの言葉を日常生活の中で使うよう促します。例えば、「今日学んだ単語を使って短い文章を作ってみよう」というように、実際に使うことで語彙力を定着させます。

2. 抽象的思考力の向上

類似性を見つける能力は、抽象的思考力と密接に関わっています。言語理解指標(VCI)の「類似」という主要下位検査では、2つの異なる概念の共通点を見つける力が問われます。これを高めるためには、概念的な思考や論理的なつながりを意識的に考える練習が必要です。●日常的な会話で類似性を探すトレーニング具体例: 日常の会話の中で、物事の共通点や違いを考える機会を増やします。例えば、「猫と犬はどんなところが似ているの?」といった質問を通して、子どもが物事の共通点を考えるように促します。実践例: 家庭で動物や食べ物、学校で学んだテーマなど、子どもが身近に感じるものに対して共通点や違いを話し合います。「リンゴとオレンジはどこが似ている?どう違う?」といった簡単な質問から始め、次第に抽象的な概念(例えば、「自由と責任の共通点は?」)へと進めます。●問題解決型の活動を取り入れる具体例: 抽象的思考を鍛えるため、日常生活の中で問題解決を要する活動を取り入れます。これにより、子どもは異なる状況や概念を関連づけて考える力を養います。実践例: 「ある物事に対して、異なる解決策を2つ考えてみよう」というタスクを与えます。例えば、学校での課題を達成する方法を考える際に、「グループで協力して解決する方法」と「個人で集中して解決する方法」のように、異なるアプローチを比較して考える練習を行います。

3. 社会的知識や実生活の理解を深めるためのアプローチ

理解力は、日常生活や社会的な状況を理解する能力に直結しています。この能力を向上させるには、日常的な経験を積極的に言語化し、社会的な状況に対する深い理解を促すことが効果的です。●社会的状況や行動について話し合う具体例: 社会的な規範や状況について考える時間を作り、それに基づいて子どもとディスカッションを行います。「なぜ人は列に並ぶのか?」や「なぜ学校では規則があるのか?」といった質問を通して、社会的な規範やルールの意味を深く理解させます。実践例: 家族や友人との交流、学校での経験などを基に、社会的な状況について話し合います。「今日の学校で、友達がどうして○○をしたのだと思う?」といった質問をし、子どもに他者の行動の背景を考えさせます。●ニュースや時事問題について話し合う具体例: 子ども向けのニュースや時事問題を取り上げ、それに対する自分の意見を述べる練習をします。これにより、抽象的な社会的概念や実生活の問題に対する理解が深まります。実践例: 毎週、家族で簡単なニュース記事を読み、それについてディスカッションを行います。例えば、「環境保護のために私たちは何ができる?」といった具体的なテーマについて意見交換をすることで、実社会の問題に対する理解力を養います。

WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の主要指標である言語理解指標(VCI)を伸ばすことについてのまとめ

WISC-V(ウィスク5)の主要指標である言語理解指標(VCI)の指標得点の数値を伸ばすためには、語彙力の向上、抽象的思考の強化、社会的知識の深まりが重要です。これらを促進するための具体的なアプローチとして、読書、フラッシュカード、日常的な会話、問題解決活動、社会的状況についてのディスカッションなどが挙げられます。これらの取り組みを継続的に行うことで、子どもの言語理解能力が向上し、言語理解指標(VCI)の数値も改善されるでしょう。《お子さんの状況にあった、具体的な伸ばし方を知りたい方はオンラインカウンセリングをお申込みください。》★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆発達障害ラボ車 重徳

自閉症スペクトラム(ASD)や広汎性発達障害(PDD)、学習障害(LD)やグレーゾーンの子の支援やトレーニングに定評のある発達障害ラボの室長です。 知能検査「WISC-Ⅴ(ウィスク5)」の実施や既存の結果による分析・アドバイスも行っています。 また、近年増えている起立性調節障害やHSC(敏感過ぎる子ども)の対応方法などにも定評があります。