処理中です...
  • ホーム
  • 車 重徳
  • ブログ
  • WISC-Ⅴ検査の主要指標である視空間指標(VSI)が低いと学校でどんな困難が発生するのか?

WISC-Ⅴ検査の主要指標である視空間指標(VSI)が低いと学校でどんな困難が発生するのか?

  • 2024/08/26

WISC-Ⅴ検査の主要指標である視空間指標(VSI)が低いと学校でどんな困難が発生するのか?

視空間指標(VSI: Visual Spatial Index)は、WISC-V(Wechsler Intelligence Scale for Children - Fifth Edition)の主要指標の一つであり、視覚的および空間的な情報を処理し、分析する能力を評価します。

視空間指標(VSI)が低い子どもは、視覚的な認知や空間的な認識に関する課題に直面することが多く、学校生活のさまざまな場面で困難を感じることがあります。

以下に、具体的な困難について説明します。

①図形やグラフの理解困難

視空間指標(VSI)が低い子どもは、図形やグラフを理解するのが難しい場合があります。

算数や理科の授業では、図形の特性や相互関係を理解したり、グラフを読み取ったりすることが求められるため、これらのスキルが不足していると、課題に取り組む際に苦労することがあります。

具体例

例えば、算数の授業で三角形の面積を求める問題が出た場合、視空間指標(VSI)が低い子どもは、三角形の高さや底辺を正しく認識できず、面積を求める計算に誤りが生じる可能性があります。

また、理科の授業でグラフの傾きを読み取り、データの傾向を分析する課題が出されたとき、視空間指標(VSI)が低い子どもは、グラフの線を正しく追えず、誤った結論を導き出してしまうことがあるかもしれません。

②地図や方向の認識困難

視空間指標(VSI)が低い子どもは、地図を読むことや、空間的な方向を理解するのが難しいことがあります。

社会科や地理の授業では、地図を使って位置関係を理解したり、方向を示す課題が多いため、これらのスキルが弱いと授業についていくのが難しくなります。

具体例

社会科の授業で、日本地図を使って県の位置や隣接する県を答える問題が出た場合、視空間指標(VSI)が低い子どもは、地図上の情報を正確に読み取れず、誤った場所を指し示してしまうことがあります。

また、地図を見ながら道順を説明する課題でも、方向感覚が弱いため、説明に誤りが出やすくなるかもしれません。

③空間的な配置や構造の理解困難

視空間指標(VSI)が低い子どもは、物の配置や構造を理解するのが難しく、空間的な関係を把握する能力が弱いことがあります。

これは、理科の実験や技術・家庭科の授業での工作や実験装置の組み立てなどに影響を及ぼします。

具体例

理科の授業で、実験器具を使って装置を組み立てる課題が出されたとき、視空間指標(VSI)が低い子どもは、器具の配置や接続方法を正しく理解できず、間違った組み立て方をしてしまうことがあります。

その結果、実験が正しく行えず、誤ったデータが得られる可能性があります。

また、技術の授業で木材を使って工作を行う際、寸法や形状を正確に測定・切断するのが難しく、製品が思い通りに仕上がらないことがあります。

④体育や運動における困難

視空間指標(VSI)が低い子どもは、運動においても空間的な認識の問題が影響することがあります。

具体的には、ボールの動きを追う、フィールドでの位置関係を把握する、あるいはチームスポーツでの戦略的な動きを理解するのが難しくなることがあります。

具体例

例えば、サッカーの授業で、ボールの位置や他の選手の動きを見ながら、自分がどこに移動すべきかを判断する課題が出た場合、視空間指標(VSI)が低い子どもは、ボールの動きを追いかけたり、適切なポジションに移動するのが遅れることがあります。

その結果、試合でのパフォーマンスが低下し、チームメイトと連携が取りにくくなるかもしれません。

⑤美術や図工における困難

視空間指標(VSI)が低い子どもは、絵を描いたり、立体物を作ったりする際に、空間的なバランスや構造を理解するのが難しい場合があります。

これにより、美術や図工の授業での創作活動において、他の子どもたちと同じような成果を出すのが難しくなることがあります。

具体例

美術の授業で、静物画を描く課題が出た場合、視空間指標(VSI)が低い子どもは、物体の形状や配置を正確に描くのが難しく、絵が歪んだり、バランスが取れないことがあります。

また、図工の授業で立体模型を作る際、各パーツを正確に組み合わせるのが難しく、完成品が不安定になったり、形が崩れてしまうことがあります。

WISC-Ⅴ検査の主要指標である視空間指標(VSI)が低いと学校でどんな問題が発生するかについての結論

視空間指標(VSI)が低い場合、子どもは学校生活のさまざまな場面で困難に直面することがあります。

具体的には、図形やグラフの理解、地図や方向の認識、空間的な配置や構造の把握、体育や運動、美術や図工の授業において課題を感じることが多くなります。

これらの困難は、学業成績や自己肯定感に影響を与える可能性があるため、教師や親は早期にVSIの低さに気付き、適切な支援を提供することが重要です。

例えば、視覚的な補助教材を活用したり、個別指導を通じて空間的な理解を強化することで、子どもが学校生活においてより良い結果を得られるよう支援することが求められます。

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

お持ちのWISC-Ⅴ(ウィスク5)検査やWISC-Ⅳ(ウィスク4)検査の結果を読み解いて欲しい方は、車 重徳のオンライン相談をお申込みください。

どこよりも詳しく読み取りましょう。

発達障害ラボ

車 重徳

自閉症スペクトラム(ASD)や広汎性発達障害(PDD)、学習障害(LD)やグレーゾーンの子の支援やトレーニングに定評のある発達障害ラボの室長です。 知能検査「WISC-Ⅴ(ウィスク5)」の実施や既存の結果による分析・アドバイスも行っています。 また、近年増えている起立性調節障害やHSC(敏感過ぎる子ども)の対応方法などにも定評があります。