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WISC-Ⅴ検査の主要指標である言語理解指標(VCI)が低いで学校でどんな問題が起こるのか?

  • 2024/08/25

WISC-Ⅴ検査の主要指標である言語理解指標(VCI)が低いで学校でどんな問題が起こるのか?

言語理解指標(VCI: Verbal Comprehension Index)は、WISC-V(Wechsler Intelligence Scale for Children - Fifth Edition)の主要指標の一つであり、言語を用いて情報を理解し、推論する能力を評価します。

言語理解指標(VCI)が低い子どもは、学校生活において言語的な理解力や表現力に課題を抱えることが多く、学習や対人関係においてさまざまな困難に直面する可能性があります。

以下に、言語理解指標(VCI)が低い場合に学校生活で考えられる具体的な困難を説明します。

①国語の授業での理解困難

言語理解指標(VCI)が低い子どもは、文章の内容を理解するのに時間がかかり、特に抽象的な概念や比喩的な表現を理解することが難しい場合があります。

国語の授業では、長文読解や文章の要約、意味を読み取るといった課題が多いため、これらのスキルが弱いと授業についていくのが困難になることがあります。

具体例

例えば、物語の一節を読んでその登場人物の感情を推測するような課題が出た場合、言語理解指標(VCI)が低い子どもは、登場人物の行動や言葉から感情を読み取るのが難しく、誤った解釈をしてしまうかもしれません。

これにより、テストでの得点が低くなったり、授業についていくことが困難となった結果、自信を失ったりすることがあります。

②語彙力の不足による表現の難しさ

言語理解指標(VCI)が低い子どもは、語彙力が不足していることが多く、適切な言葉を選んで自分の考えや感情を表現するのが難しい場合があります。

これにより、作文や発表の課題で苦労するだけでなく、クラスメートとのコミュニケーションにも支障をきたすことがあります。

具体例

例えば、作文の課題で「自分の週末の出来事を詳しく書きなさい」というテーマが与えられた場合、言語理解指標(VCI)が低い子どもは、適切な言葉が思い浮かばず、内容が薄くなったり、曖昧な表現が増えたりすることがあります。

これにより、教師からの評価が低くなり、自信を失うことがあります。

③抽象的な概念の理解困難

言語理解指標(VCI)が低い子どもは、抽象的な概念や論理的な関係を言葉を使って理解することが難しいことがあります。

これにより、算数(数学)や理科の授業で新しい概念を学ぶ際に困難を感じることが多くなります。

特に、言葉を使って論理的に問題を解く必要がある場面では、つまずくことが多いです。

具体例

算数の授業で、「割合」や「比率」といった抽象的な概念を説明する際、言語理解指標(VCI)が低い子どもは、これらの概念を理解するのに時間がかかり、問題を解く際に誤った解釈をしてしまう可能性があります。

これにより、算数に対する苦手意識が強まり、学習意欲が低下することがあります。

④対人コミュニケーションの困難

言語理解指標(VCI)が低い子どもは、他者とのコミュニケーションで適切な言葉を選んで自分の意見を伝えるのが難しく、誤解やトラブルが生じやすくなります。

これにより、友人関係がうまく築けなかったり、クラスメートとの協力が必要なグループ活動で困難を感じることがあります。

具体例

例えば、グループでの発表で自分の意見を述べる際、言語理解指標(VCI)が低い子どもは、適切な言葉が見つからず、言いたいことをうまく伝えられないことがあります。

これにより、他のメンバーから誤解されたり、意見が採用されないことで疎外感を感じることがあるかもしれません。

⑤試験や評価(おける不利)

言語理解指標(VCI)が低い子どもは、試験やテストで言語的な理解を必要とする問題に対して苦手意識を持つことが多いです。

特に、文章を読んで答える問題や、作文、発表などの課題では、他の生徒に比べて低い評価を受けることがあります。

具体例

テストで、長文読解とその内容に基づいた質問に答える問題がある場合、言語理解指標(VCI)が低い子どもは、文章の要点を捉えるのに時間がかかり、質問に対して的確に答えることが難しいため、結果として得点が低くなる可能性があります。

これにより、全体の成績に影響が出ることがあります。

WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の主要指標である言語理解指標(VCI)が低いと学校生活においてどんな問題が発生するかについての結論

言語理解指標(VCI)が低い場合、子どもは学校生活において多くの困難に直面する可能性があります。

具体的には、国語の授業での理解困難、語彙力の不足による表現の難しさ、抽象的な概念の理解困難、対人コミュニケーションの困難、そして試験や評価における不利などが挙げられます。

これらの困難は、学業成績や社会的な適応に影響を与える可能性が高いため、教師や保護者は早期に子どもの言語理解指標(VCI)に関する問題を把握し、適切なサポートや指導を提供することが重要です。

例えば、言語理解を助けるための補助教材を利用したり、個別指導を行ったりすることで、子どもの学習の質を向上させ、学校生活をより充実したものにすることができます。

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発達障害ラボ

車 重徳

自閉症スペクトラム(ASD)や広汎性発達障害(PDD)、学習障害(LD)やグレーゾーンの子の支援やトレーニングに定評のある発達障害ラボの室長です。 知能検査「WISC-Ⅴ(ウィスク5)」の実施や既存の結果による分析・アドバイスも行っています。 また、近年増えている起立性調節障害やHSC(敏感過ぎる子ども)の対応方法などにも定評があります。