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WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の補助指標である認知熟達度指標(CPI)から子どもの何が分かるのか?

  • 2024/08/24

WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の補助指標である認知熟達度指標(CPI)から子どもの何が分かるのか?

認知熟達度指標(CPI: Cognitive Proficiency Index)は、WISC-V(Wechsler Intelligence Scale for Children - Fifth Edition)の補助指標の一つで、子どもの認知能力における効率性や自動化された情報処理能力を評価します。

認知熟達度指標(CPI)は、主にワーキングメモリ(WMI: Working Memory Index)と処理速度(PSI: Processing Speed Index)に基づいており、情報を迅速かつ正確に処理する能力を示します。

この指標は、学習や日常生活におけるパフォーマンスに直接影響を与える重要な要素です。

以下に、認知熟達度指標(CPI)の検査結果から具体的に何が分かるのかを説明します。

①作業効率とタスク遂行能力

認知熟達度指標(CPI)は、子どもが複数の情報を効率的に処理し、タスクを遂行する能力を評価します。

高い認知熟達度指標(CPI)を持つ子どもは、情報を短期間で保持し、素早く処理することが得意であり、学習課題や日常の活動において高いパフォーマンスを発揮します。

一方、認知熟達度指標(CPI)が低い子どもは、情報処理に時間がかかり、課題の完了が遅れることがあります。

具体例

例えば、算数の授業で多数の計算問題が出された場合、認知熟達度指標(CPI)が高い子どもは、計算を迅速に行い、問題を次々に解いていくことができます。

一方、認知熟達度指標(CPI)が低い子どもは、計算に時間がかかり、他の子どもたちよりも問題を解くスピードが遅くなり、結果として時間内にすべての問題を解き終えることが難しいかもしれません。

②学習における注意力と集中力

認知熟達度指標(CPI)は、注意力と集中力の持続にも深く関わっています。

認知熟達度指標(CPI)が高い子どもは、長時間にわたり集中して課題に取り組むことができ、学習の効率が高いです。

逆に、認知熟達度指標(CPI)が低い子どもは、注意が散漫になりやすく、長時間の学習において集中力を維持するのが難しいことがあります。

具体例

例えば、長い文章を読んでその内容を理解し、後で質問に答える課題が出されたとき、認知熟達度指標(CPI)が高い子どもは、文章を読みながら重要なポイントを記憶し、質問に対して適切に答えることができます。

一方、認知熟達度指標(CPI)が低い子どもは、読み進めるうちに注意が散漫になり、文章の重要な内容を忘れてしまい、質問に対する答えが曖昧になりがちです。

③学習課題における実行機能

認知熟達度指標(CPI)は、実行機能、特にワーキングメモリの能力に関連しています。

実行機能とは、目標を設定し、それを達成するために必要なステップを計画し、実行する能力を指します。

認知熟達度指標(CPI)が高い子どもは、複数の情報を保持しながら、順序立てて計画的に行動することが得意です。

具体例

例えば、理科の実験で複数の手順を順番にこなさなければならない場合、認知熟達度指標(CPI)が高い子どもは、実験の各ステップを記憶し、それを適切に実行することができます。

逆に、認知熟達度指標(CPI)が低い子どもは、手順を忘れてしまったり、手順を間違えて実験がうまく進まないことがあるかもしれません。

④学業成績や課題のパフォーマンスの予測

認知熟達度指標(CPI)は、子どもの学業成績や課題のパフォーマンスを予測する指標としても役立ちます。

特に、学習におけるスピードと効率が要求される課題において、認知熟達度指標(CPI)のスコアは重要な予測因子となります。

認知熟達度指標(CPI)が高い子どもは、テストや時間制限のある課題で優れたパフォーマンスを発揮することが多いです。

具体例

テストで、限られた時間内に多くの問題を解かなければならない場合、認知熟達度指標(CPI)が高い子どもは、効率よく問題を解き進め、時間内にすべての問題に回答できる可能性が高いです。

逆に、認知熟達度指標(CPI)が低い子どもは、問題を解くスピードが遅く、時間が足りなくなることで、テストの得点が低くなる可能性があります。

⑤日常生活での課題遂行と自己管理

認知熟達度指標(CPI)は、学業だけでなく、日常生活における課題遂行や自己管理の能力にも影響を与えます。

認知熟達度指標(CPI)が高い子どもは、日常的なタスクを効率的にこなし、自己管理能力が高い傾向にあります。

一方、認知熟達度指標(CPI)が低い子どもは、時間管理が苦手で、タスクを計画通りに遂行するのが難しい場合があります。

具体例

例えば、朝の支度で、学校に行くために必要な準備を短時間で終わらせることが求められる場面で、認知熟達度指標(CPI)が高い子どもは、順序よく準備を進め、時間通りに家を出ることができます。

しかし、認知熟達度指標(CPI)が低い子どもは、何をすべきかを考えるのに時間がかかり、準備が遅れてしまい、結果として学校に遅刻することが多くなるかもしれません。

WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の補助指標である認知熟達度指標(CPI)から子どもの何が分かるのかについての結論

認知熟達度指標(CPI)は、子どもの情報処理の効率性や自動化された認知能力を評価するための重要な指標です。

認知熟達度指標(CPI)の指標得点からは、子どもの作業効率、注意力と集中力、実行機能、学業成績や課題のパフォーマンス、そして日常生活での課題遂行能力に関する重要な情報が得られます。

認知熟達度指標(CPI)が高い子どもは、学習や日常生活において高いパフォーマンスを発揮しやすく、効率的に課題をこなすことができます。

一方、認知熟達度指標(CPI)が低い子どもは、これらの領域で困難を感じることが多く、特に学業や日常生活での支援が必要となる場合があります。

この情報を基に、教師や親は子どもの学習環境を適切に調整し、効果的な支援を提供することが重要です。

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発達障害ラボ

車 重徳

自閉症スペクトラム(ASD)や広汎性発達障害(PDD)、学習障害(LD)やグレーゾーンの子の支援やトレーニングに定評のある発達障害ラボの室長です。 知能検査「WISC-Ⅴ(ウィスク5)」の実施や既存の結果による分析・アドバイスも行っています。 また、近年増えている起立性調節障害やHSC(敏感過ぎる子ども)の対応方法などにも定評があります。