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WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の主要指標である処理速度指標(PSI)から子どもの何が分かるのか?

  • 2024/08/19

WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の主要指標である処理速度指標(PSI)から子どもの何が分かるのか?

処理速度指標(PSI: Processing Speed Index)は、WISC-V(Wechsler Intelligence Scale for Children - Fifth Edition)の主要な指標の一つで、視覚的な情報を迅速かつ効率的に処理する能力を評価します。

具体的には、視覚的なパターンやシンボルを素早く認識し、正確に応答する能力が測定されます。PSIの結果からは、子どもの学習や日常生活における情報処理能力、タスク遂行の効率性、集中力などが分かります。

以下に、処理速度指標(PSI)の結果から具体的に何が分かるのかを説明します。

①情報処理のスピードと効率性

処理速度指標(PSI)は、子どもが視覚的な情報をどれだけ迅速かつ効率的に処理できるかを示します。

処理速度が速い子どもは、視覚的なパターンやシンボルをすばやく認識し、それに応答する能力が高いです。

これにより、学校でのテストや授業中の課題を迅速に完了することができ、学習において効率的に取り組むことが可能になります。

具体例

例えば、算数のテストでたくさんの計算問題が出されたとき、処理速度指標(PSI)が高い子どもは、各問題を素早く解き進め、時間内にすべての問題を終えることができます。

一方、処理速度指標(PSI)が低い子どもは、同じ問題に取り組む際に時間がかかり、結果として全ての問題を解く時間が足りなくなり、テストの得点に影響が出る可能性があります。

②作業のスピードと学習効率

処理速度指標(PSI)はまた、子どもがどれだけ迅速に作業を完了できるか、そして学習タスクをどれだけ効率的に進めることができるかを示します。

これは、授業中のノート取り、宿題の完了、テストの解答など、日常的な学習活動において重要です。

処理速度指標(PSI)が高い子どもは、これらのタスクを他の子どもよりも速く、そして効率的に行うことができます。

具体例

例えば、国語の授業で長文を読み、それに関する質問に答える課題が出された場合、処理速度指標(PSI)が高い子どもは、文を迅速に読み、重要な情報を素早く見つけ出して質問に答えることができます。

一方、処理速度指標(PSI)が低い子どもは、長文を読むのに時間がかかり、重要な情報を見つけるのにも時間がかかるため、結果として回答が遅れ、課題の完了が他の子どもに比べて遅れることがあります。

③注意力と集中力の維持

処理速度指標(PSI)は、子どもの注意力と集中力の維持にも関連しています。

処理速度が速い子どもは、視覚的な情報を迅速に処理し、それに応答するための集中力を長時間維持することができます。

これにより、授業中に複数のタスクを効率的にこなすことが可能になります。

具体例

例えば、理科の授業で視覚的な観察をもとにした実験を行う場合、処理速度指標(PSI)が高い子どもは、観察結果をすばやく記録し、次のステップに進むことができます。

しかし、処理速度指標(PSI)が低い子どもは、観察結果を正確に記録するのに時間がかかり、その結果、次のステップに進むのが遅れるため、実験全体の進行が遅れることがあります。

④タスクの完遂度と正確さ

処理速度指標(PSI)は、子どもがどれだけ迅速かつ正確にタスクを完遂できるかを示します。

処理速度が速い子どもは、タスクを速く進めるだけでなく、正確に遂行することができます。

これは、テストの解答や宿題の提出において重要です。

具体例

例えば、国語の漢字テストで、与えられた時間内にできるだけ多くの単語を正しく綴ることが求められる場合、処理速度指標(PSI)が高い子どもは、単語を素早く思い出し、正確に書くことができます。

これに対して、処理速度指標(PSI)が低い子どもは、単語を思い出すのに時間がかかり、また書く速度も遅いため、制限時間内にすべての単語を書き終えることが難しくなるかもしれません。

⑤テストのパフォーマンスと時間管理

処理速度指標(PSI)の結果は、子どもがテストの時間配分をどのように管理するか、そして時間内にどれだけの問題を正確に解くことができるかを示します。

テストの時間内にすべての問題を解くためには、迅速な処理速度が必要です。

具体例

テストで複数の教科を短時間で解く必要がある場合、処理速度指標(PSI)が高い子どもは、時間内にすべての問題を解き終え、全体として高い得点を取る可能性が高くなります。

一方、処理速度指標(PSI)が低い子どもは、問題を解く速度が遅いため、未完の問題が残り、全体の得点が下がる可能性があります。

WISC-Ⅴ検査の主要指標である処理速度指標(PSI)の結果から子どもの何が分かるのかについての結論

処理速度指標(PSI)の結果からは、子どもの情報処理のスピード、作業の効率性、注意力と集中力の持続、タスクの正確さ、そしてテストのパフォーマンスに関する多くの情報が得られます。

処理速度指標(PSI)が高い子どもは、視覚的な情報を迅速に処理し、効率的に学習タスクをこなすことができます。

一方、処理速度指標(PSI)が低い子どもは、これらの領域で困難を感じることがあり、特にテストや時間制限のある課題において苦戦する可能性があります。

この情報を基に、教師や親は子どもの学習スタイルやサポートの必要性を理解し、適切な支援を提供することが重要です。

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発達障害ラボ

車 重徳

自閉症スペクトラム(ASD)や広汎性発達障害(PDD)、学習障害(LD)やグレーゾーンの子の支援やトレーニングに定評のある発達障害ラボの室長です。 知能検査「WISC-Ⅴ(ウィスク5)」の実施や既存の結果による分析・アドバイスも行っています。 また、近年増えている起立性調節障害やHSC(敏感過ぎる子ども)の対応方法などにも定評があります。