子どものゲームを注意したら、突き飛ばされて骨折してしまった方へ
- 2026/02/03
骨折という、身体的にも精神的にもあまりに痛ましく、凄惨な経験をされましたね。
ベテランの臨床家として、そして一人の人間として、あなたの受けた衝撃と悲しみに心から寄り添いたいと思います。
お子さんを注意しただけなのに、信じていた存在から暴力を振るわれ、大怪我を負わされたという事実は、単なる「反抗期」という言葉で片付けられるものではありません。
あなたが今感じている「もう子どもと関わりたくない」という強い拒絶感は、親としての無責任さではなく、あなたの心と命を守るための正当な防衛本能です。
まずはその感情を否定せず、自分が深刻な被害を受けた一人の被害者であるという現実を、ありのままに受け入れてください。
今の状況は、もはや家庭内での話し合いや、親の努力だけで解決できる「しつけ」の段階を完全に超えています。
突き飛ばして骨折させるという行為は、法的な視点で見れば傷害事件に該当する重大な事態です。
お子さんの背景には、ゲーム依存による衝動抑制の困難さや、脳の未熟さがあるのかもしれませんが、それが暴力を正当化する理由にはなりません。
むしろ、ここで親が痛みをこらえて「私が悪かったのかも」と飲み込んでしまうことは、お子さんに対して「暴力で状況を変えられる」という誤った学習を強化してしまい、将来的に取り返しのつかない加害者へと育ててしまうリスクさえ孕んでいます。
ですから、今のあなたが距離を置きたいと願うことは、お子さんの人生にとっても、これ以上の罪を重ねさせないための唯一の正しい選択と言えるのです。
具体的な行動として、まずはあなた自身の心身の安全を最優先に確保してください。
一時的に実家に身を寄せる、あるいは自治体のシェルターや宿泊施設を利用するなどして、物理的に離れることが不可欠です。
その上で、警察や児童相談所といった公的機関に必ず介入を求めてください。
これはお子さんを捨てることではなく、社会的なルールと責任を教えるための「専門家への委託」です。家庭という密室の中で親子が「被害者と加害者」の構図に陥っているとき、第三者の冷徹な視点と介入がなければ、その連鎖を断ち切ることは不可能です。
あなたはもう、たった一人でお子さんの暴力の責任を負う必要はありません。
臨床家としてお伝えしたいのは、あなた自身の心のケアの重要性です。
お子さんに対する恐怖心や虚無感は、トラウマ(PTSD)として長く残る可能性があります。
カウンセリングや専門的な治療を通じて、崩れてしまった心の境界線を引き直し、まずは「親」である前に「安全を保障されるべき一人の人間」としての尊厳を取り戻してください。
あなたが自分を大切にすることが、結果としてこの歪んだ親子関係を修復するための最初で最後の鍵となります。
一人で抱え込まず、私たちのような専門家や公的な支援を、あなたの盾として、そして剣として使い倒してください。
今のあなたにとって、最も必要なのは安心できる場所での休息です。
もし差し支えなければ、現在のお子さんとの物理的な距離や、周囲に頼れる親族や友人がいらっしゃるかどうか、
少しお話しいただけますか?
あなたの安全を第一に考えた、具体的な避難先や相談先を一緒に整理していきましょう。
発達障害ラボ
車 重徳

