専業主婦の自身の妻にマウントをとる夫が増えた理由とその対策
- 2026/01/28
近年、専業主婦である妻に対して、夫が言葉や態度で「マウントをとる」関係性が目立つようになった背景には、個人の性格問題だけでは説明できない、社会的・心理的な要因が存在します。
これは「強い夫が弱い妻を支配している」という単純な構図ではなく、むしろ不安定な自己価値を抱えた夫婦関係の歪みとして理解する必要があります。
まず大きな要因は、「稼ぐこと=価値」という価値観がいまだ根強く残っていることです。
共働きが一般化した一方で、社会全体は依然として成果や収入で人を評価する構造を持っています。
その中で、夫は「自分は外で稼いでいる」「経済的に家庭を支えている」という事実を、無意識のうちに「優位性」として握ろうとします。
特に仕事で評価されにくい、将来への不安を抱えている夫ほど、家庭内で立場を確認するように妻を見下す言動が増えやすくなります。
次に、専業主婦という役割が「見えにくい労働」であることも影響します。
家事・育児は成果が数値化されず、終わりも評価もありません。
そのため夫側がその負担を実感できず、「自分のほうが大変だ」「楽をしている」といった誤った認知を持ちやすくなります。
これは理解不足であると同時に、他者の立場を想像する力の弱さの表れでもあります。
また、夫自身が自己肯定感を外的評価に依存しているケースも少なくありません。
仕事や収入、社会的立場でしか自分の価値を感じられない場合、家庭という「評価されない場」に入ると不安が強まります。
その不安を打ち消すために、妻を下げることで相対的に自分を保とうとする心理が働きます。
マウントは自信の表れではなく、脆さの表現なのです。
対策として最も重要なのは、「上下関係」の土俵に乗らないことです。
妻が自分の役割や価値を言語化し、自分自身がそれを肯定できているかが大きな鍵になります。
専業主婦であることは、家庭を支える一つの専門的役割であり、劣位ではありません。
その認識をまず妻自身が持つことが、関係性の歪みを固定化させない第一歩です。
同時に、夫婦間で役割や負担を具体的に可視化し、対話することも不可欠です。
「感謝されたい」「理解されたい」という感情を、責めではなく事実として伝えることが、力関係ではない「対等な関係」を取り戻す土台になります。
専業主婦の妻にマウントをとる夫が増えたのは、夫が強くなったからではありません。
不安定な社会の中で、自分の価値を家庭に持ち込んでしまった結果です。
必要なのは勝ち負けではなく、役割と存在を相互に尊重する関係性への立て直しなのです。
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発達障害ラボ
車 重徳
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