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子育てをせず、自宅でゲームばかりしている父親が増えた理由とその対策

  • 2026/01/27

近年、「子育てに関わらず、自宅でゲームばかりしている父親が増えた」と感じられる背景には、父親個人の怠慢や無責任さだけでは説明できない、社会的・心理的な要因が重なっています。

この問題を理解するには、「父親が逃げている」のではなく、「関われなくなっている」構造に目を向ける必要があります。

まず大きな理由は、父親役割の急激な変化です。

現代では「育児に積極的であること」が理想像として語られる一方、具体的に何をどうすればよいのかを学ぶ機会はほとんどありません。

母親向けの育児情報や支援は多いのに対し、父親は「手伝う側」「言われたことをやる側」に置かれやすく、主体的に関わる成功体験を持ちにくいのが現実です。

その結果、「どう関わっても正解が分からない」「下手に関わると否定される」という無力感を抱え、家庭内で居場所を失っていきます。

次に、仕事による慢性的な疲弊も無視できません。

多くの父親は、家庭を支える責任を強く意識するあまり、仕事で心身をすり減らしています。

その状態で帰宅し、感情や判断を求められる育児に向き合う余力が残っていないことも少なくありません。

ゲームは、考えなくてよく、評価もされず、短時間で達成感が得られるため、疲弊した心にとって非常に手軽な逃避先となります。

また、父親自身が「育てられ方」を学んでいない場合も多くあります。

自分の父親が育児に関わっていなかった世代では、「父親としてどう振る舞うか」のモデルが存在しません。

結果として、家庭の中で何をすればよいか分からず、得意な世界であるゲームに閉じこもってしまうのです。

対策として重要なのは、父親を責めて行動を変えさせようとしないことです。

責められるほど、人は防衛的になり、さらに家庭から距離を取ります。

まず必要なのは、「子育ては完璧でなくていい」「関わり方に正解は一つではない」と伝えることです。

短時間でも、決まった役割でも、「父親として必要とされている」という実感を持てる関わりが、再参加のきっかけになります。

また、母親側がすべてを抱え込まず、父親に“任せる”ことも重要です。

やり方が違っても口を出しすぎないことが、父親の自信を育てます。

父親が家庭の一員として機能し始めたとき、ゲームは「逃げ場」から「娯楽」へと自然に位置づけが変わっていきます。

子育てをせずゲームに没頭する父親が増えたのは、父親が弱いからではありません。

役割を失い、関わり方を見失っているだけです。

必要なのは叱責ではなく、再び家庭に戻れる「居場所」と「役割」を取り戻す支援なのです。

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発達障害ラボ

車 重徳

《個別の案件はオンライン相談まで》

自閉症スペクトラム(ASD)や広汎性発達障害(PDD)、学習障害(LD)やグレーゾーンの子の支援やトレーニングに定評のある発達障害ラボの室長です。 知能検査「WISC-Ⅴ(ウィスク5)」の実施や既存の結果による分析・アドバイスも行っています。 また、近年増えている起立性調節障害やHSC(敏感過ぎる子ども)の対応方法などにも定評があります。