処理中です...

最近の子どもの自己肯定感が低い理由とその対策

  • 2026/01/25

近年、子どもの自己肯定感が低いと感じられる場面は、教育・医療・福祉の現場で確実に増えています。

これは一部の子どもに限った問題ではなく、社会全体の構造変化が子どもの心に影響を与えている結果だと考える必要があります。

まず大きな要因は、「評価され続ける環境」で育っていることです。

テストの点数、偏差値、SNSでの反応、友だちの数など、子どもは常に他者との比較の中に置かれています。

本来、成長過程では「できなくても大丈夫」「失敗してもやり直せる」という安心感が必要ですが、現代の子どもは早い段階から結果で価値を測られやすく、「できない自分=価値がない自分」と結びつけてしまいます。

次に、成功体験の質の変化も影響しています。

効率化や先回りの支援により、子どもが試行錯誤する機会が減りました。

転ばないように、失敗しないように大人が整えすぎると、子どもは「自分で乗り越えた」という実感を持ちにくくなります。

その結果、自信の土台となる感覚が育たず、少しのつまずきで自己評価が大きく揺らいでしまいます。

また、否定されている自覚がなくても、日常的な言葉かけが自己肯定感を下げている場合があります。

「どうしてできないの」「前も言ったよね」「みんなはできている」といった言葉は、叱責の意図がなくても、子どもには「自分は劣っている」というメッセージとして蓄積されます。

特に感受性の高い子どもほど、その影響を強く受けます。

対策として最も重要なのは、自己肯定感を「能力」ではなく「存在」に結びつけて育てることです。

できた・できないに関わらず、「あなたがここにいること自体が大切」「話してくれてありがとう」といった関わりを積み重ねることで、子どもは安心して挑戦できるようになります。

さらに、結果より過程を言語化して認めることも有効です。

「最後まで考えたね」「工夫しようとしたね」と伝えることで、子どもは努力や思考そのものに価値を見出せるようになります。

これは、失敗を恐れにくい心を育てる基盤となります。

最近の子どもの自己肯定感の低さは、本人の弱さではありません。

時代の影響を受けた自然な反応です。

だからこそ、大人が評価者ではなく「伴走者」として関わり、安心して失敗できる環境を取り戻すことが、最も確かな対策だと言えるでしょう。

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

発達障害ラボ

車 重徳

《個別の案件はオンライン相談まで》

自閉症スペクトラム(ASD)や広汎性発達障害(PDD)、学習障害(LD)やグレーゾーンの子の支援やトレーニングに定評のある発達障害ラボの室長です。 知能検査「WISC-Ⅴ(ウィスク5)」の実施や既存の結果による分析・アドバイスも行っています。 また、近年増えている起立性調節障害やHSC(敏感過ぎる子ども)の対応方法などにも定評があります。