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WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の結果は高いのになぜ、学校の勉強はできないのか

  • 2026/01/19

WISC-Ⅴ(ウィスク5)の検査結果が高いにもかかわらず、学校の勉強がうまくいかない子どもは決して少なくありません。

この背景には、「知能検査で測られる力」と「学校の成績として求められる力」が必ずしも一致しないという重要な前提があります。

WISC-Ⅴ検査は、子どもの認知的な「潜在能力」を測定する検査です。

言葉の理解力、図形の把握力、推理する力、記憶の使い方、処理の速さなどを細かく分けて評価します。

一方、学校の勉強は、これらの力を同時に、かつ長時間、集団の中で安定して使い続けることを求められます。

つまり、能力の「高さ」だけでなく、「使いこなす条件」が大きく影響するのです。

まず多いのが、指数間のアンバランスです。

例えば、言語理解や推理力が非常に高くても、ワーキングメモリや処理速度が低い場合、授業についていくことが難しくなります。

先生の説明を聞きながら板書を写す、問題文を読みながら計算する、といった同時処理が負担となり、理解しているのに課題が終わらない、テストで点が取れないという状態が生じます。

次に、注意機能や実行機能の弱さも大きな要因です。

WISC-Ⅴ検査では集中できる短時間の課題を静かな環境で行いますが、学校は雑音が多く、刺激も多様です。

集中の維持、切り替え、段取りといった力が弱いと、能力を十分に発揮できません。

その結果、「頭はいいのにミスが多い」「やればできるのにやらない」と誤解されやすくなります。

また、学習の方法が本人の認知特性に合っていないケースも見逃せません。

抽象的な説明が得意な子に機械的な反復練習を強いると意欲を失いますし、視覚優位の子に聴覚中心の指導を行うと理解が進みません。

知能が高い子ほど「合わない学び方」に強いストレスを感じ、勉強そのものを避けるようになることもあります。

さらに、情緒面の影響も重要です。

失敗体験の積み重ねや周囲との比較により自己肯定感が下がると、「どうせできない」「やっても無駄」という気持ちが先に立ち、本来の力を使う前にブレーキがかかります。

これは能力の問題ではなく、心理的安全性の問題です。

つまり、WISC-Ⅴ検査の結果が高いのに勉強ができないのは、「能力があるのに使えない環境・条件」に置かれている状態だと言えます。

必要なのは叱責や努力論ではなく、認知特性に合った学び方の工夫、負荷の調整、成功体験の積み重ねです。

知能検査の結果は「可能性の地図」です。

その地図をどう生かすかが、支援の本質なのです。

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発達障害ラボ

車 重徳

《個別の案件はオンライン相談まで》

自閉症スペクトラム(ASD)や広汎性発達障害(PDD)、学習障害(LD)やグレーゾーンの子の支援やトレーニングに定評のある発達障害ラボの室長です。 知能検査「WISC-Ⅴ(ウィスク5)」の実施や既存の結果による分析・アドバイスも行っています。 また、近年増えている起立性調節障害やHSC(敏感過ぎる子ども)の対応方法などにも定評があります。