WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の結果は高いが、学校の勉強は全くできない子の背景とは
- 2026/01/17
私は長年の診療経験から、数多くのアンダーアチーバー(知能が高いのに学業成績が悪い子ども)を支援してきました。
WISC-V(ウィスク5)検査でFSIQ(全検査知能指数)が110以上など高いのに、学校の勉強が全くできないのは、決して「怠け」や「やる気不足」ではなく、複数の要因が絡んだ結果です。
以下に主な理由を説明します。
まず、発達障害の併存が最多の原因です。
WISC-V(ウィスク5)検査は認知能力を測りますが、学業は実行機能(計画、集中、衝動抑制)が必要です。
ADHDの場合、ワーキングメモリ指標(WMI)や処理速度指標(PSI)が相対的に低く、宿題の開始・継続が苦手です。
ASD併存時は社会的文脈の理解が難しく、授業のニュアンスを掴めないことがあります。
学習障害(例: ディスレクシア)では読解が遅れ、知能の高さを活かせません。
これらが「頭はいいのにできない」ギャップを生み、挫折感を増幅します。
臨床では、WISC-V検査の指標間差(ばらつき)が大きい子にこのパターンが目立ちます。
次に、情緒的・心理的要因です。
高知能児は「なぜこんな簡単なことができないのか」と自己嫌悪を抱きやすく、うつや不安障害を二次的に発症します。
完璧主義で「失敗を恐れ何もしない」状態になるケースも。
家庭のプレッシャー(「頭いいんだから頑張れ」)が逆効果となり、モチベーションを低下させます。
また、ギフテッド児(IQ130以上)は授業が退屈でボアアウト(燃え尽き)し、勉強を拒否します。
さらに、環境要因も影響します。
学校のカリキュラムが子どもの興味に合わず、創造性を発揮できない場合、学業意欲が失われます。
いじめや教師との相性不良がストレスを生み、不登校につながることも。
家庭では親の過干渉や無関与が問題です。
アンダーアチーバーは「潜在能力の無駄遣い」ではなく、支援次第で挽回可能です。
親御さんへ:検査結果を活かし、児童精神科でADHDなどの評価を。
学校に合理的配慮を求め、興味を活かした学習を。
多くの子が適切な介入で輝きます。
発達障害ラボ
車重徳
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