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発達に課題がある子どもの中学受験について

  • 2026/01/04

私は長年、発達特性(自閉スペクトラム症ASD、ADHD、学習障害など)を持つ子どもたちを支援してきました。

中学受験の是非は、子どもの特性の種類・程度、意欲、家族環境によって異なり、一概に「すべき/すべきでない」と断定できません。

以下にメリット・デメリットと判断基準を説明します。

まず、メリットとして、私立中学校の環境が子どもの特性に合えば、大きな利点があります。

例えば、ASDの子どもはルールが明確で少人数のクラスが向くことが多く、一部の私立校は発達支援プログラムやカウンセリングを充実させています。

ADHD児も、興味を活かしたカリキュラムでモチベーションが上がる場合があります。

受験を通じて忍耐力や学習スキルを養い、自己肯定感が高まる子もいます。

臨床では、特性を活かした受験で自信を得た事例を多く見てきました。

一方、デメリットは深刻です。

受験勉強の長時間座学やプレッシャーは、集中力の持続が苦手なADHD児にストレスを与え、不安やうつを誘発します。

ASD児は変化や社会的交流の多さでパニックを起こしやすく、模試での失敗体験がトラウマになる恐れがあります。

学習障害併存時は、読解や計算の困難が挫折を招き、二次的な不登校リスクが高まります。

全体として、発達特性児の多くは定型児よりストレス耐性が低く、無理な受験が精神衛生を害するケースが少なくありません。

判断基準は以下の通りです。

  • 子どもの特性評価:WISC-V(ウィスク5)検査などで強み・弱みを把握。集中力や実行機能が低い場合、受験は慎重に。
  • 本人の意欲:子どもが「行きたい」と積極的か。親の期待押しつけは逆効果。
  • サポート体制:家庭教師や療育の併用が可能か。学校の合理的配慮(時間延長など)を事前確認。
  • 代替案の検討:公立中や通信制、進路の多様化を視野に。高校受験で挽回できる。
  • 専門家の関与:児童精神科医や発達支援センターに相談。ストレス兆候(イライラ、睡眠障害)を監視。
  • 結論として、発達特性児の中学受験は「可能だが、無理強いせず個別最適化を」が原則です。

    子どもの精神的健康を最優先に。

    多くの子が受験を避けても、独自の道で輝いています。

    親御さんへ:お子さんのペースを尊重し、一緒に専門相談を。

    早期の支援で未来は広がります。

    発達障害ラボ

    車重徳

    《もっと詳しく知りたい人はオンライン相談まで》

    自閉症スペクトラム(ASD)や広汎性発達障害(PDD)、学習障害(LD)やグレーゾーンの子の支援やトレーニングに定評のある発達障害ラボの室長です。 知能検査「WISC-Ⅴ(ウィスク5)」の実施や既存の結果による分析・アドバイスも行っています。 また、近年増えている起立性調節障害やHSC(敏感過ぎる子ども)の対応方法などにも定評があります。