発達障害の子どもの反抗期は、なぜ定型発達の子どもに比べて激しく、長引くのか?
- 2025/12/29
私は長年、発達障害(ASD、ADHDなど)を持つ子どもたちの反抗期を数多く見てきました。
定型発達の子どもに比べて反抗期が激しく、長引くように感じられるのは、発達障害の脳特性と環境要因が複合的に絡むためです。
以下に主な理由を挙げます。
まず、感情調整機能の未熟さです。
ASDやADHDの子どもは前頭前野の成熟が遅れやすく、思春期になっても感情の抑制や切り替えが苦手です。
ホルモンバランスの変化が加わると、ちょっとしたきっかけで怒りや苛立ちが爆発しやすく、定型児の「一時的な反抗」より激しく見えます。
感情が一度高ぶると長時間持続し、収まるのに時間がかかります。
次に、変化への耐性の低さです。
思春期は身体的・社会的変化が急激ですが、ASD児はルーチンや予測可能性を強く求めるため、学校の人間関係の複雑化や身体変化に強いストレスを感じます。
このストレスが「親への反抗」や「引きこもり」として現れ、定型児より強く反発します。
さらに、コミュニケーションの困難です。
ASD児は自分の気持ちを言葉で表現するのが苦手で、ADHD児は衝動的に言葉を吐き出します。
結果、「なぜそんな態度を取るのか」説明できず、親とのすれ違いが深まり、衝突が頻発・激化します。
親が「普通に話せばいいのに」と感じるほど、溝が広がります。
また、これまでの失敗体験の蓄積です。
発達障害の子どもは幼少期から「できない」「違う」と指摘されやすく、自己肯定感が低い状態で思春期を迎えます。
思春期のアイデンティティ探求期に「自分はダメだ」という思いが強まり、親への攻撃的な態度で防衛します。
これが「過剰な反抗」に見えます。
最後に、親の対応の難しさも影響します。
発達特性を理解せず定型児と同じしつけをすると、子どもはますます反発します。
一貫性のない対応や過干渉が反抗を助長する悪循環を生みます。
重要なのは、この激しい反抗期は「障害のせい」で終わるのではなく、適切な支援で乗り越えられるということです。
親子間のルールを視覚的に明確にし、感情が高ぶった時のクールダウン方法を一緒に練習しましょう。
児童精神科でのペアレント・トレーニングや認知行動療法が非常に有効です。
親御さんへ:お子さんの反抗は「あなたを拒絶している」のではなく、苦しみの表れです。
どうか自分を責めず、専門家に相談してください。
この時期を乗り越えると、親子関係はより深くなります。
多くの子が大人になって「当時はごめん」と感謝を伝えてきます。
発達障害ラボ
車重徳
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