ゲームがないと仲間に入れてもらえないという子どもの対応について
- 2025/12/27
非常に悩ましいテーマですが、臨床の立場から結論を先に述べます。
「仲間に入るためだけにゲームを買い与える」ことは、短期的には安心を与えても、長期的には子どもを守る選択になりにくいというのが基本的な考え方です。
まず大切なのは、「ゲームがないと仲間に入れてもらえない」という言葉の背景を丁寧に読み取ることです。
これは単なる「ゲームが欲しい」という要求ではなく、
✅孤立への不安
✅拒絶される恐怖
✅自分の居場所を失う感覚
が強く含まれています。
ここを見誤ると、「ゲームを買う・買わない」という二択に話が矮小化されてしまいます。
一方で、親の直感が示す通り、「仲間に入る条件として何かを差し出さなければならない関係」は健全ではありません。
もしゲームを持つことで一時的に輪に入れても、それは「所属の条件」を外部に握られた状態です。
条件が変われば、再び不安は生まれます。
これは自己肯定感や対人関係の土台を弱めやすい構造です。
ただし、ここで「だから絶対に買わない」と突っぱねるのも危険です。
子どもにとっては、現実の人間関係がすべてです。
「親の正論」が、子どもを孤立に追い込む形になることもあります。
そこで重要なのが、「段階的・条件付きの対応」です。
選択肢は「全面拒否」か「無条件に買う」だけではありません。
具体的には、次の視点が有効です。① 関係性の実態を確認する
本当に「ゲームがないと仲間に入れない」のか、話題についていけない不安なのか、遊び方が限定されているのか。
学校や学年によって状況は大きく異なります。
② 代替の関係づくりを並行して用意する
ゲーム以外でつながれる友だち、習い事、小集団の居場所を意図的につくることは、心理的な安全網になります。
③ もし導入するなら「親の管理下」で限定的に
時間・内容・場所を明確にし、「仲間に入るための道具」ではなく、「家庭で管理された娯楽」として位置づけます。
ここを曖昧にすると依存やトラブルにつながります。
④ 言語化の力を育てる
「ゲームがないとダメ」と言われたときに、「じゃあ一緒に遊べないの?」と聞き返せる力は、将来の対人関係を守ります。
これは親子で練習できます。
最も大切なのは、子どもに
「あなたの価値は、持ち物やゲームで決まらない」
「困ったときは一緒に考える大人がいる」
という感覚を持たせることです。
ゲームを買うかどうかは「手段」であり、「目的」ではありません。
子どもを孤立から守りつつ、条件付きの人間関係に縛られない力をどう育てるか。
その視点を軸に、家庭ごとの最適解を探ることが、最も現実的で子どもを守る対応だと言えるでしょう。
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発達障害ラボ
車 重徳
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