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子どもの「ゲームでの息抜き」はアリなのか?

  • 2025/12/25

結論から言えば、「ゲームの息抜き」は条件付きで有効ですが、使い方を誤ると逆効果になります。

臨床の現場でも、ここを誤解して親子ともに苦しんでいるケースは少なくありません。

まず、子どもが「疲れた」「一旦離れたい」と感じること自体は自然で健全です。

学習には集中資源(注意・ワーキングメモリ)を大量に使うため、一定時間ごとに休憩を挟むことは、脳科学的にも必要です。

問題は「何で休むか」です。

ゲームはいっけんリフレッシュに見えますが、多くのゲームは

・強い視覚刺激

・即時報酬(すぐ結果が出る)

・競争や達成感によるドーパミン放出

を伴います。

これは「休憩」ではなく、脳を別の意味でフル稼働させる活動です。

結果として、学習で疲れた脳が回復する前に、さらに刺激を重ねてしまいます。

研究で「ゲーム後に学習効率が下がる」とされる背景には

①注意の切り替えコストが大きい

②静かな集中状態に戻りにくい

③報酬の強さの落差で勉強が退屈に感じやすくなる

といった要因があります。

特にADHD傾向や感覚過敏のある子どもでは、この影響が顕著です。

一方で、全てのゲームが悪いわけではありません。

短時間・目的限定・時間帯を選べば、情緒調整に役立つ場合もあります。

例えば

・運動系ゲームを5~10分

・勉強が完全に終わった後のご褒美

・週末のみ

などは、臨床的にも許容範囲です。

重要なのは、ゲームを「疲労回復の手段」にしないことです。

脳を休ませたいなら、

・軽いストレッチ

・散歩

・音楽を聴く

・何もしない時間

の方が、はるかに回復効果が高いと分かっています。

「勉強で疲れたからゲーム」は、一時的には楽でも、長期的には学習と自己調整力を削る可能性がある。

だからこそ、大人が「完全禁止」でも「無条件許可」でもなく、使いどころを一緒に設計する姿勢が大切です。

ゲームは敵ではありません。

ただし、「休憩の代替」にはなりにくい。

その現実を理解した上で関わることが、子どもの学びを守る一番の近道です。

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発達障害ラボ

車 重徳

《ゲーム依存について詳しく学びたい人はオンライン相談をご利用ください》

自閉症スペクトラム(ASD)や広汎性発達障害(PDD)、学習障害(LD)やグレーゾーンの子の支援やトレーニングに定評のある発達障害ラボの室長です。 知能検査「WISC-Ⅴ(ウィスク5)」の実施や既存の結果による分析・アドバイスも行っています。 また、近年増えている起立性調節障害やHSC(敏感過ぎる子ども)の対応方法などにも定評があります。