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WISC-Ⅴ(ウィスクファイブ)検査の処理速度指標(PSI)の数値が低い場合の学校生活での困難

  • 2025/12/05

WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の処理速度指標(PSI)が低い場合の学校生活での困難

WISC-Ⅴ(ウィスクファイブ)検査の処理速度指標(PSI)は、簡単な情報を素早く正確に処理する能力を測定しています。この指標が低い場合、学校生活では以下のような困難が生じる可能性があります。

授業場面での困難

最も目立つのは、課題を時間内に終えられないことです。クラスメイトが次々と問題を解き終わる中、まだ半分も終わっていないという状況が頻繁に起こります。理解力はあるのに、処理のスピードが追いつかないため、「できない子」と誤解されることもあります。黒板の書き写しに非常に時間がかかります。一文字ずつ丁寧に書くため、教師が黒板を消す前に写し終わらず、ノートが不完全になります。書くことに必死で、内容を理解する余裕がなくなることもあります。テストでは特に困難が顕著です。時間制限のある小テストや定期試験では、分かる問題でも時間切れで解答できず、本来の実力を発揮できません。マークシート式の試験でも、解答欄を塗りつぶす作業に時間がかかります。

学習活動での困難

漢字の書き取りや計算ドリルなど、反復練習が必要な課題で大きな負担を感じます。他の子が10分で終わる宿題に1時間かかることもあり、学習意欲の低下につながります。音読では、文字を目で追って音声化する処理に時間がかかり、たどたどしい読み方になります。黙読でも読むスピードが遅く、国語のテストで文章を読み終わらないうちに時間切れになることがあります。実技教科でも、素早い動作の切り替えや、手順を次々とこなすことが求められる場面で困難を感じます。例えば、音楽のリコーダー演奏で指を素早く動かす、家庭科の調理実習で複数の作業を並行して進めるといった活動です。

日常生活での困難

朝の支度や授業の準備に時間がかかり、いつも慌ただしくなります。「5分で着替えて」と言われても、実際には15分かかってしまいます。給食の配膳や片付けでも動作が遅く、周囲から急かされることがあります。持ち物を素早く取り出したりしまったりすることも苦手です。授業の切り替え時に教科書やノートを入れ替えるのに時間がかかり、次の授業の開始に遅れがちです。体育では、素早い反応が求められる活動で困難を感じます。ボールが飛んできたときの反応、ダッシュの瞬発力、体操の素早い動きなどが苦手で、運動が不得意と思われることもあります。

心理的な影響

処理速度の遅さは、本人が最も自覚しやすい困難の一つです。「みんなはもう終わっているのに、自分だけできていない」という状況が繰り返されることで、自己効力感が低下します。「頑張っているのに遅い」と感じ、努力が報われない感覚を持ちやすくなります。また、周囲から「ぼーっとしている」「やる気がない」「もっと急いで」と言われることで、傷つき、不安や緊張が高まります。その結果、さらに動作が遅くなるという悪循環に陥ることもあります。

支援のポイント

これらの困難に対しては、時間延長や課題量の調整、書く量を減らす工夫(プリント配布、写真撮影の許可)、タイピングの活用などが効果的です。また、「急ぎなさい」ではなく「丁寧にできているね」と肯定的な声かけをすることも重要です。処理速度指標(PSI)の低さは、理解力や思考力とは別の認知特性です。時間的な配慮があれば、十分に力を発揮できます。スピードよりも質を重視する評価や、本人のペースを尊重する環境づくりが、自信と意欲を育てます。

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発達障害ラボ

車 重徳

自閉症スペクトラム(ASD)や広汎性発達障害(PDD)、学習障害(LD)やグレーゾーンの子の支援やトレーニングに定評のある発達障害ラボの室長です。 知能検査「WISC-Ⅴ(ウィスク5)」の実施や既存の結果による分析・アドバイスも行っています。 また、近年増えている起立性調節障害やHSC(敏感過ぎる子ども)の対応方法などにも定評があります。